―やはりシングルマザーを支援したい、という思いがおばたさんの中で強くなっていったのですか。
そういう気持ちはあまりなく、自然と支援する側になっていった感じです。当初、会の運営は完全にボランティアでしたから、「ありがとう」という言葉に充実感を感じると同時に、「私だって助けてほしいのに、何やっているんだろう」という葛藤が常にありました。そこでいったん全部リセットしようと、2020年の1年間、仕事も会の活動も休んで、息子と2人で日本一周の旅に出たんです。
―すごい行動力ですね!そして出した答えは―?
やめるという選択肢は出なかったので、そこからは腹を決めました。会の名称を石川シングルマザーの会に改め、シングルマザーサポート団体全国協議会に入会しました。組織運営や事業計画について学び、活動資金を得られるようになったことで、より充実した支援活動が行えるようになりました。会の運営については、2人のお母さんに副代表としてイベントを企画してもらっています。私がいなくなっても支援活動が持続できる組織にしたいんです。
日本一周から戻って、住まいは金沢市から加賀市に移しました。自宅を地域の子どもたちの居場所になるような図書館として開放するという夢があるんです。今のところは本の代わりに食料支援の段ボールが山積みになっています(笑)。