金沢市、公益社団法人金沢青年会議所、
国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットの3者は、
金沢らしいSDGsの取り組みについて議論を重ねてきました。
金沢でSDGsを効果的に進めるにあたり、「金沢の風土、歴史、文化を踏まえること」、
「経済、社会、環境の3つの側面を包括的に捉えること」という視点から5つの方向性を導きました。
金沢の地形は、山地、台地、平野、河川などから構成されています。
起伏豊かな地形を土台に歴史や文化が蓄積され、今日では生物多様性に富み保存と開発の調和がとれた創造都市として国内外へ独自性を放っています。
こうした金沢の自然、歴史、文化の価値をさらに高め、住む人の目線で心地よいまちづくりをすすめます。
持続可能な社会を実現するには、環境への負荷を軽減し、限りある資源を循環させる仕組みや技術を導入することが重要です。
個人のライフスタイル、あらゆる企業活動、地域活動において、二酸化炭素排出量の抑制、再生可能エネルギーの導入、フードロスの解消、ごみの資源化などをすすめます。
「当たり前の生活」を享受できない相対的貧困が社会問題となっています。生まれ育った家庭の経済状況や障害などに左右されることなく、すべての子供が安心して個性豊かに育つことができる環境をつくります。
また、教育格差の是正や、文化や芸術などを通じて子供の自己肯定感を高める活動に、学校、地域、NPOなど多様なステークホルダーとともに取り組みます。
人生100年時代においては、仕事と仕事以外の生活を調和させ、その両方を充実させることが欠かせません。
多様な人材が、ライフステージや能力に合わせた柔軟な学び直し、働き方の選択ができる社会風土を醸成します。
AIなどの技術の進化がより加速する反面、持続可能な経営や中長期的な企業価値が問われる時代になっています。
こうした背景を踏まえ、金沢の強みである文化の成長産業化や起業支援、学術機関やNPOなどとの連携、人材の多様性の推進など、創造性・革新性の向上に向けた仕組みをつくります。
持続可能な開発は「環境」「社会」「経済」の3つの層を統合させて解決することが必要だと考えられています。金沢がこれまで固有の自然や地形などの環境を基盤として地域社会が形成され、独自の産業などが発展してきたように、2030年に向けた金沢SDGsの5つの方向性も、この3つの層の成り立ちや関わりを意識しています。
2015年9月、国連サミットで採択された2030年までの国際目標で、
持続可能な世界を実現するための17のゴール(目標)と
169のターゲット(具体目標)から構成されています。
地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓い、
発展途上国のみならず、先進国自身の普遍的な取組を推進しています。
問題に対してバラバラに対応するのではなく、市民、地域、NPO、企業、行政など多様な主体がパートナーシップで取り組むことで、小さな力も社会を変える大きな力になります。
SDGsの17のゴールのうち、ある目標を達成するためには、別の目標と関連のある問題にも取り組まなければいけません。つまり、特定の誰かにとって良い社会ではなく、全ての主体にとってより良い社会にするための目標です。