2026.10.16

「KANAZAWA SDGsフェスタ」レポート

金沢の秋のイベントとしてすっかりおなじみになった「KANAZAWA SDGsフェスタ」。
6回目となる今回のテーマは「歩きながらかんがえる」です。

“歩きながら”は比喩的な表現で、物理的に歩くことだけでなく、手を動かしながら、食べながら、音楽を聴きながら、〇〇しながら考えを深めてみようということです。
頭で考え過ぎず、まずやってみると、思いのほかスムーズに物事が進んだり、ゆるいペースが心地よかったり、新しい気づきがあったりと、いろんないいことがあるものです。

さあ、SDGsフェスタの会場では、どんな“ながら”が用意され、来場者はどんな体験をしたのでしょうか。
当日のレポートをお届けします。

SDGsフェスタが掲げる5つのストーリー

SDGsフェスタが開催された10月4日(日)は、くもりのち雨。
金沢の秋らしいグレーの空に、金沢市役所第二本庁舎の芝生の緑が映えます。
いつもは市役所として機能しているこの建物が、この日はエントランスホールと芝生広場をつないで開放的なイベント会場になります。

今年のSDGsフェスタは5つのメッセージを掲げています。

―いま必要な量を考える。量り売りで買って使い切る。
―食べながら考える。包装系のゴミのこと。なるべくゴミが出ないように買えたら……。
―野菜を洗いながら考える。食べものを作る人のこと、農地の環境、ゴミのゆくえなど。
―こわれたら、直せるかどうか考える。直せるものを買う。直しながら長く使えたらうれしい。
―ちくちく縫いながら考える。使いたくなるものに作りかえて使う。

会場のあちこちにフラッグが設置され、来場者に軽やかにメッセージを伝えます。

買ったり食べたり体験したりしながら深く広く考えるのは、地域の農業のこと、フードロスのこと、ものを長く使い続けること、使い手から使い手へ循環させること、ゴミの行方のこと…などなど。
美味しい、楽しいだけでなく、その背景やその先にあることに思いを馳せます。

「ゴミを出さない」をバージョンアップし続ける

イベントゴミを減らすことは、このSDGsフェスタが始まったときからの目標のひとつです。
物販のお店では、使い捨てのプラスチック容器は原則使いません。
多くのお客さんは、マイバッグ、マイボトル、マイタッパーを持参しています。

お店の方も、量り売りにしたり、ランチを蓮の葉や紙に包んだり、お煎餅をコーヒーカップの蓋にしたり、葉っぱをお皿にしたり、空き瓶にクッキーを詰めたり、お茶を抽出した後の茶殻をコンポストに入れたりと、毎年ゴミを減らす工夫をバージョンアップしています。

ひとりではできないことも、買う人、売る人、そして運営する人が共感し、協力し合うことでカタチにする。SDGsフェスタの大きな魅力です。

新しいものも、古くてすてきなものも

新しいものを買うだけではなく、古くてすてきなものやアップサイクルされたものを探しに、あるいは今持っているものを修理するために会場を訪れる方もいます。

〈xanji-ハンジ–〉さんは、ペットボトルをリサイクルした生地で作る、カラフルなミニバッグを販売しています。始まりは地元福井での海岸清掃の活動だそうで、おしゃれと海洋プラスチック問題の2つの面から、バッグの価値をお客さんに伝えていました。

〈吉村洋傘店〉さんは、SDGsフェスタの常連。傘の修理は横安江町商店街にある店舗でも受け付けています。雨の日が多い金沢だからこそ、気に入った傘を長く愛用したいものです。

“〇〇しながらかんがえる”ためのワークショップ

ワークショップコーナーも大勢の人で賑わっています。
〈søm fabrica〉さんは、リネンや古布を継ぎ合わせてポジャギのようなファブリックを制作しています。ワークショップでは端切れを組み合わせてミシンでツギハギし、あずま袋など小物を作ります。
「お裁縫をするのは久しぶり」という参加者さんも、とても楽しそう。チクチク針仕事は“捨てる”を“活かす”に変える身近なSDGsです。

モビール作家の三崎大地さんは、金石の海岸で拾ったプラスチック漂流物を使ったモビール作りのワークショップを開催。図工と理科と数学を足したような楽しさがあるモビール作りの背景には、海岸に流れ着く漂着ゴミの問題があります。

俳人の鈴木沙恵子さんのワークショップは、題して「おさんぽ句会」。参加者は会場周辺を散歩し、看板やポスター、道端の草花、その場でキャッチした音やにおいなどから、五文字の言葉を見つけて書き留めます。その後、会場に戻って言葉をパズルのように並べながら俳句を作ります。自然の変化や季節の循環と深く結びついている俳句は、SDGsに関連するいろんな気づきをもたらしてくれます。

SDGsは、人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき国際目標です。
今年は2026年。
国連の広報センターは「達成期限まで5年を切った今、SDGsの達成を射程距離に捉えるためのラストスパートが必要」と発表しています。2030年、あるいはその先に向かって歩きながらかんがえ続けたいと感じた一日になりました。

<<「KANAZAWA SDGsフェスタ」開催概要>>
主 催|IMAGINE KANAZAWA 2030推進会議
日 時|2026年10月4日(日)10:00~16:00
会 場|金沢市役所第二本庁舎
来場者|約2,500人
内 容|
(1)SDGsマルシェ
Per grocery/PHYTO soixante-deux/中初商店/髙木糀商店/農家と薬味 小作/殿町ボタニカル/旅する料理/BISTRO YUIGA/Hosi bosi coffee/HUG mitten WORKS/eden/茶舎 觀壽/こびり/金沢小町/ニワトコ/鍬掘レンコン松本/うつろふ/家族野菜tsugutsugu/平本奈央子/吉村洋傘店/名雪園代/金継ぎホ/古家具harbor/古本ト雲/有永浩太/陳列室/mogo/moyu/knopue./弘田朋実/xanji:ハンジ

(2)WORKSHOP
おさんぽ句会(鈴木沙恵子)/KUTANI SEAL WORKSHOP(KUTANI SEAL)/漂流物でモビール作り(三崎大地)/ツギハギ布小物作り(søm fabrica)/シルクスクリーン体験(砂原久美子)

(3)映画・展示
◆シネモンドの出張映画館
『アダマン号に乗って』
◆IMAGINE KANAZAWA 2030パートナーズ企業・団体
株式会社ユーアート(不要紙を利用したメモ帳の配布)/株式会社ダンロップタイヤ 北陸カンパニー(タイヤ点検のミニセミナーの実施)/一般社団法人 Wild Card(プラごみ問題と環境保全をテーマにしたボードゲームの展示、体験)/ウフフドーナチュ(ドーナツの販売)/シナネン株式会社(ペットボトルランタンづくり)
◆金沢市都市計画課(木の文化都市・金沢 共創パートナーズ)
コウハチロウ工房による木製品の展示

出展者の声(一部抜粋)|
・「静かに盛り上がる」この感じが好きです。こんな感じで続くといいなと思います。
・回を重ねるごとに内容も少しずつ変化を見せ、お客様はとても楽しそうでした。ありがたいことにタッパー弁当への理解度が高く、みなさん今後活用いただける様子で大変感激しました。
・皆さま容器を持ってきてくださったりと、いつもと違う提供の形もスムーズでした。必要な量を変えたり、その場で袋に詰めたり、おすすめを伝えて自分で買う量を決めたり。フランスのマルシェでの買い方、売り方のようで、すごく楽しめました。
・お客さまの「直したい」思いをうかがい、自分の技術でお力になれることがうれしく、また来年も、ずっと、続いてほしいなと思うイベントです。
・食べ切れる分を考えている方がほとんどで、お客さまもイベントの主旨を理解して来場されているんだなぁと感じました。
・楽しみにしてきてくださるリピーターの方が年々増えている気がします。質問や感想を言ってくださる方、知的な方、清潔感のある服装の方が多かったのも印象的でした。
・今年はマイカップ、マイ袋の方が今までで一番多かったです。かんがえることを続けたいと思います。

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