―貸す人、借りる人両方の安心のために奔走されてきたんですね。
住居がないと雇用保険の申請もできず、次の仕事も探せませんが、新型コロナウイルスの影響で失業して住まいを追われる人は増加しています。
エリンクでもコロナ禍で雇止めにあった30~60代の男性からの相談が増えています。シングルマザーなど女性向けの相談窓口は複数ありますが、男性の場合はどこに相談していいか分からず、頼れる親族もおらず、ひとりで悩みや苦しみを抱えていることが少なくないんです。せっかく住宅が確保できても、引きこもって孤立してしまうことも珍しくありません。困っている人を救いたいと不動産業を起業したのに、住宅とつなぐだけでは救えない。
それじゃだめだと、入居した後も「ちゃんとごはん食べとる?」「元気にしとる?」と連絡したり、行政への相談に付き添ったり、食料や買い物の支援をしたりと、自分にできる支援をしてきました。入居者さんからは「ちょっと相談があるんやけど」と電話もしょっちゅうかかってきます。モテるんですよ、私(笑)。