2022.11.01

「KANAZAWA SDGsフェスタ」レポート

108日土曜日、昨年に続いて2回目の開催となる「KANAZAWA SDGs フェスタ」が、金沢市役所第二本庁舎を会場に行われました。地元のお店のマーケットを中心に、パートナーズの企業による体験ブース、映画上映会など。美味しくて楽しくて、ピリッと刺激がある企画を通じて、誰もが自分にできるSDGsアクションのヒントを発見できたのではないでしょうか。

では、当日のもようをレポートします!

イベントから「ごみ」の概念をなくす

前回に引き続き、企画の段階からゴミを出さないことを徹底しています。
今回は、不特定多数に向けたチラシのかわりに、伝えたい人から知りたい人に直接手渡す「シードペーパー」のカードを用意しました。

役割を終えたカードを土に埋めると、やがて芽が出て花を咲かせます。

受付テントはバンブーハット。
芝生まわりの柵は市内の竹林から切り出した竹。
会場の備品はサステナブルを徹底しています。

金沢市役所第二本庁舎1Fのエントランスホールと芝生の広場が、物販や体験のお店が並ぶマーケット会場に変身。
S:知っている人が作るものを D:だいじにぜんぶ食べる G:ぐっとくるものを修理しながら s:さいごまで大切に使う」をテーマに、作り手の顔が見える食や、長く愛着を持って使えるモノが並びます。

会場では、おとなもこどもも、色とりどりの買い物バッグを携えていました。

軽やかに、おしゃれに、サステナブルであることを楽しむ。そんな共感の輪が広がっています。

飲食の販売はテイクアウトのみで、あらかじめ容器の持参を呼びかけています。使い捨て容器を使う場合も、竹やバガス、生分解性の素材を使った容器を使用します。

梅干しや乾物は、小さなガラス瓶に移し替えて。

食材を入れる容器や袋を持参し、必要な分だけ量り売りで買う。
それって私たちがそう遠くない昔に、当たり前にやっていたことです。
今の時代は、使い捨てが当たり前になっているけれど…。
もう一度「当たり前」を考え直してみるきっかけが、会場のあちこちにあります。

食べる前から、食べた後まで

お菓子や料理を提供するお店のブースには、食材の生産者や作り手のこだわりを紹介するPOPが置かれています。
そして「ぱっと手に取ってさっとお金を払っておわり」ではなく、あちこちで売る人と買う人の会話が弾んでいます。

食の背景にどんな人がいるのか知り、自分が手に取るまでの過程を理解した上で購入する。
そんな買い物の仕方は、エシカル消費の第一歩です。

「食べる前」だけでなく、「食べた後」のことを意識させるお店もありました。

こちらではコンポストアドバイザーの大石さんが微生物の力で生ごみを分解するコンポストセットを紹介しています。
コンポストといえばダンボールを使ったものが一般的ですが、こんな可愛いバッグならキッチンやベランダに置いても絵になりますね。
熟成、堆肥化した後は、そのまま野菜やハーブの苗を植えることができます。

直して、かたちを変えて、使い続ける

体験型のお店を目当てに来場する方もたくさんいました。

こちらは市内のヴィンテージショップ、コルポサーカスさんによる洋服のリメイクサービス。
サイズや傷みを直すだけでなく、洋服にデザインという新しい価値を加えます。

おとなりは吉村洋傘店さんによる傘の修理。
お気に入りの傘を修理しながら長く愛用する人って、ステキですよね。

三角形に張られた白いテントの中では、音楽家と画家のユニットによるパフォーマンスが行われています。ペインティングされたテントの布は、イベント終了後、切ってミシンで縫って「何か」に変身させて販売されるそうです。

IMAGINE KANAZAWA 2030 パートナーズの活動を知る

2FSDGs達成に向けてさまざまな取り組みをしている「IMAGINE KANAZAWA 2030パートナーズ」の情報発信&体験スペースです。

ウフフドーナチュさんの型崩れドーナツの販売は今年も大人気。
「もったいない」と「ちょっとおトク」をつないで、食品ロスを削減しています。

廊下にはパートナーズの活動を紹介するポスターやパネルが。建設会社、印刷会社、保険会社、学生サークルなどなど、いろんな企業や団体の活動が紹介されていて、金沢SDGsのすそ野の広がりを感じます。

こちらは金沢に事業所がある建築設備関連 メーカ―8社がコラボして取り組む「石川まちなかプロジェクト」の体験ブース。

タチカワブラインドのブラインド、YKK APの窓、TOTOの水まわり…などなど、それぞれの専門分野の力を持ちよって「エコで快適な生活」を提案しています。

☆パートナーズ会員やその活動について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

誰一人取り残さない地域をつくるために

今年は新たな取り組みとして、金沢市障害福祉課のブースが設置されました。

現役介助犬のピースケ&介助犬を引退したタフィ―は、子どもたちに大人気。

ピースケは北陸3県で唯一の介助犬利用者である平野さんの生活を支えています。
一方で、盲導犬に比べると介助犬の認知度は低く、施設や交通機関で受け入れを拒否されるケースが全国で見られます。
介助犬について理解を広げていくことで、利用者さんは安心して社会参加できるようになります。

手話体験コーナーでは、金沢市聴力障害者福祉協会の吉岡さんが、ユーモアを交えて「おはよう」「ありがとう」などあいさつの手話を教えてくれました。

金沢市では20176月より手話言語条例を施行し、手話への理解の促進と手話の普及を進めています。市の公式YouTubeチャンネルでは、吉岡さんが講師を務める手話学習動画を配信しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

自分ごととして考えたい『メイド・イン・バングラデシュ』

会場の一画では、シネモンドによる映画上映会があり、老若男女が集いました。
上映作品は『メイド・イン・バングラデシュ』。
大手アパレルブランドの工場が集まるダッカを舞台に、衣料品工場の厳しい労働環境にあえぐ同僚たちと労働組合を結成すべく立ち上がったシムの葛藤と奮闘を描いた作品です。

映画は実話をもとにしたもので、途上国から搾取するファッション産業のあり方や、圧倒的なジェンダー格差など、さまざまな問題を提示してくれました。「バングラデシュの問題」とせず、自分ごととして考えていきたいものです。

フェスタは2年目ということで、イベントの趣旨が出店者にも来場者にも浸透していることが感じられました。ものを大切に使うアイデアだったり、誰かの支えになりたいという気持ちだったり。イベントで得たことを、普段の暮らしの中で活かしていけたらいいですね。
シードペーパーの種が花を咲かせるように、人々のこころに撒かれたSDGsの種も、それぞれの花を咲かせることでしょう!

<<「KANAZAWA SDGsフェスタ」開催概要>>

主 催|IMAGINE KANAZAWA 2030推進会議 金沢市
日 時|2022108日(土)10001700
会 場|金沢市役所第二本庁舎
来場者|2,000
内 容|
(1)GOODS&FOODSマーケット
(2)IMAGINE KANAZAWA 2030パートナーズなどのブース
(3)出張映画館

マーケット出店者の声|
・素敵なテーマのイベントに出ることができて幸せでした。量り売りを定番化し、お客様が同じ方向を向いてくれているイベントは、そうそうないんじゃないか思います。
・昨年に続き今回も気持ちのよいイベントでした。買う楽しみに留まらず、安心安全に食べ、修理して使い、簡易包装を取り入れるアプローチができあがっているため、来場者はおのずからSDGsに参加していることになります。
・絵、香り、金継ぎといった出店者のジャンルの多様さは、そのままお客様層の多様さでもあるようで、企画の豊かさにつながっていると感じました。
・日々、信頼できる生産者の方や、地元のものを使えるよう意識しています。今回はそれを充分に皆様にお届けできたかなと思います。
・マイバッグは当然…みたいな流れになってるなと感じました。1年でみんなの当たり前が少し変わったのですね、きっと。
・容器を持参している人、去年の旗を使用したバックをお持ちの方を見かけ、イベントにお客様が定着しているように感じました。

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