―児童福祉施設などへの中古パソコンの寄贈は、どのようなかたちで行っているのですか。
「中古パソコンを10台販売するごとに1台寄贈」というカウントで、4年前から毎年、県内の児童福祉施設やフリースクールなどに寄贈しています。昨年は約10台を寄贈できました。
寄贈先は知人に紹介してもらったり、こちらから「こんな取り組みをしているのですが、パソコンは必要ありませんか?」と手紙を書いたりして探しています。届けた先の子どもたちから「パソコンで動画を見ながらみんなでダンスの練習ができた」などと感謝の声が寄せられると、役に立てたかなと思います。
―専門的なスキルを活かしたプロボノ活動であり、「誰かの役に立ちたい」という人々の気持ちの受け皿になるビジネスモデルでもある、すてきな取り組みですね。
私は父が設計事務所を営んでいたことから、パソコンが身近にある環境で育ちました。知りたいこと、分からないことがあるとインターネットで調べるなど、パソコンを通じていろんな知識を得ることができました。今の時代、パソコンは教育ツールとして浸透しています。小学校、中学校ではプログラミング教育が必修化されていますし、インターネットを使った調べ学習の宿題も出ます。国のGIGAスクール構想に伴い、金沢市でも小学校1年生から中学校3年生の児童生徒にタブレット端末が1人1台整備されていますが、それでも家庭で自由に使えるパソコンがないことで学習機会の格差が生まれています。当社は「GIGAスクールサポーター」として市内の小中学校を訪れる機会も多いので、いろんな問題を実際に見聞きします。
幅広く学び、その先のキャリアに活かしていく上で、パソコンには大きな可能性があります。自分が子どもの頃からパソコンに親しんできただけに、置かれた環境や境遇に関係なく、すべての子どもたちがパソコンにふれ、自分の未来をつくっていける世の中であってほしいという思いがあります。