―実体験をもとに、貧困を少しでも減らすことを仕事にされたのですね。フェアトレードが根付くことで、世の中でどんな変化が起こっているのでしょうか。
私たちがおつきあいをしている生産者団体は、厳しい環境下でもすばらしい成果を出しています。より弱い人の立場を考え、より公平な運営・管理を行っていて、その高いビジネススキルは日本人も見習うところが多いです。
たとえばインドのムンバイで洋服を作っているグループは、特に生活に困っていて、なおかつミシンを使ったことのない女性に無料の技術訓練を行い、手に職を付けるまでをサポートしています。スラムの子どものために学童教室を運営したりといった活動もしています。
買い物にはいろんな選択肢があり、安く買えるほうがいいとは思いますが、知らず知らず、生産者を虐げるような環境で作られた洋服を身に着けていたとしたら……、嫌ですよね。フェアトレードなら、買いものを通じて弱い立場の作り手を支えることができる。作り手は、必要とされるものを作り、生まれ育った地域で安定して生活していける。こんないいことはありません!