―2017年という早いタイミングでSDGs宣言をされていますが、SDGsに取り組むようになった経緯を教えてください。
僕はもともと大工をしていたのですが、夫婦で新規就農してれんこんを作るようになり、その後兄と一緒に法人化したんです。才田町は農業が盛んなまちですが、農家は高齢化が進んでいます。僕ら世代が生産性を上げて、安定した雇用の受け皿になっていかないと、農業は持続不能になってしまう。農業以外の、いろんな会社のビジネスを知りたいという思いがあって、金沢青年会議所(JC)に入会し、そこでSDGsに出会ったんです。
農業は地域の中でさまざまな役割を果たしていますから、SDGsのゴールでいう「17:パートナーシップで目標を達成しよう」を意識しています。まず企画したのは収穫祭です。ただし、農産物を販売するだけでは継続性がありません。そこでSDGsの「6:安全な水とトイレを世界中に」に関連付けて、NPO法人河北潟湖沼研究所と連携し、河北潟の水環境と農業にスポットを当てたイベントにしました。毎日何気なく田んぼの風景を見ている子どもたちも、水田には生きものを育んだり、水質を浄化したりと多面的な機能があることを知り、意識が変わったと思います。