金沢SDGs行動計画(案)

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金沢SDGs行動計画(案)を掲載します。
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方向性1 自然、歴史、文化に立脚したまちづくりをすすめる  

~古くて新しくて心地よいまち~

1.金沢独自の生活、生業、界隈性を再認識して継承する

①自然・歴史・文化のなりたちとその価値を学ぶ
・金沢の生活、生業、界隈性(*1)の価値を再認識する学びの機会をつくる
・学校教育などで金沢の自然・歴史・文化への感受性を高める学びの機会をつくる
②祭礼・風習・季節感を大事にする
・季節の和菓子や町会での祭礼などを受け継ぐ
・習い事をする
③自分たちが住んでいる地域に関心をもつ
・小学校と協力して身近なまちの資源さがしをする
④そして、まちなかに多世代が住む
・まちなかのライフスタイルを発信する、体験する
・まちなかの商店街や地元のお店で買い物する

*1 城下町が醸成した伝統と文化による生活文化や、生業を中心とした伝統工芸等の店舗が生み出す独特の雰囲気

2.歩いてまちの魅力を感じる

①つい歩きたくなるまちをつくる
・歴史的遺構や庭園を活かして気持ちよく歩ける連続した空間をつくる
・道路や公園や広場ではまちにとけこむ質のよい緑をつくり守る
・細街路を安心して歩けるよう、自動車の交通規制(路線や時間帯)を増やす
②マイカーをやめてみる
・通勤や業務や私事で、バスや電車に乗る日を増やす
・歩くには遠いところへはマイ自転車や「まちのり」を使ってみる
③乗りたくなる公共交通にする
・マナーを守り、公共交通を互いに気持ちよく利用できる環境をつくる
・心地よいバス停や駅舎をつくる(包摂性が高い、デザインがいい、便利)

3.自然と調和し災害に強いまちをつくる

①自分が住んでいる地域の自然災害リスクを知る
・地域コミュニティでの防災知識の習得や防災活動を行う
・これまで発生した災害(地震、水害、土砂災害等)の話を聞く
②個人、地域、行政がグリーンインフラ(*2)をつくる、つかう
・個人宅の庭の意義を理解し、つくり育てる
・月極パーキングやコインパーキングを緑化する
生物文化多様性(*3)の価値を知りまもる
・生物文化多様性を体感できるエコツアーをする
・金沢ならではの自然と文化のつながりを意識した環境保全活動を進める

*2 自然が持つ多様な機能を賢く利用することで、持続可能な社会と経済の発展に寄与するインフラや土地利用計画。例えば、災害の避難場所となる防災機能の高い公園・緑地、雨水を貯められる市民農地や個人の庭など、「環境保全」・「地域活性化」・「防災・減災」の取り組みを統合させる概念。
*3  生物多様性は文化の多様性の基盤になっており、また、文化がそれと関わりのある生物多様性を維持しているように、生物多様性と文化の多様性の相互作用によって生じる多様性のこと

4.多世代がわくわくするコトと場をつくる

①まちなかと里山・田園地域が交流する
・中山間地のものが手に入りやすくする(まちなかでの朝市、里山へでかける交流、地産地消の推進)
・いろいろな場所に小さな畑やコミュニティガーデンを増やし、利用をマッチングする
②まちなかで新しいコトが起きて偶然がうまれる
・毎週、土日に道路空間を歩行者に開放し、まちなかマーケットなどを開催する
・まちなかでスポーツを楽しめる場と機会をつくる
③界隈(エリア)のカラーを打ち出す
・界隈(エリア)の独自性を生かしつつ、新陳代謝する(リノベーションなど)
・生活や暮らしに近い、裏通りや商店街のカルチャーを育てる
④新しい場所をつくる
・公園や広場を使い倒す
・河川敷に楽しい場所をつくる

方向性2 環境への負荷を少なくし資源循環型社会をつくる 

~“もったいない”がないまち~

1.あらゆる手段で、二酸化炭素の排出量を抑える

①みんなが参加しやすい省エネを進める
・照明のLED化を推進する
・ゼロ・エネルギー・ハウス、ゼロ・エネルギー・ビルの導入を進める
・クールシェア・ウオームシェアできる地域の居場所を用意する(地域で管理するコミュニティスペース)
②再生可能エネルギーの導入を進める
・太陽光、風力、太陽熱、地中熱、バイオマス、小水力などを個人が選びやすいようする
・公共施設や防災拠点等における再生可能エネルギー設備の導入を進める
③人と環境にやさしい交通手段を整備する
・通勤や業務や私事で、バスや電車に乗る日 を増やす(再掲)

2.環境負荷の少ない「つくる・運ぶ・売る・買う・使う・捨てる」にシフトする

①環境負荷の少ない作り方をあたりまえにする
・企業が環境保全に役立つ資材調達や製造工程などを知って取り入れる
・環境負荷の少ないものづくりやサービスを進める企業を評価する仕組みをつくる
②地元農水産物を利用するとともにフェアトレードに親しむ
・地野菜や規格外農水産物を利用したり買ったりできる場を増やす
・学校給食に使用する地元農水産物の比率を高める
・フェアトレードについて知る機会を増やす
③地域の自然を活用する
・林地残材の木質ペレット化や、伐採竹の製品利用、公園整備や除草などで出る植物資材のバイオマス利用を促進する
④環境にやさしい消費行動をあたりまえにする
・ばら売り、量り売りするお店を増やす
・給水スポットを増やし、マイボトル利用者を増やす
⑤プラスチックを削減する
・食器リユースのしくみを構築し、イベントでの使い捨てプラスチック食器を削減する
・公共施設・量販店などの使い捨て傘袋をなくし、脱水機の設置を普及する
⑥ごみ削減・資源化の取り組みを進める
・量販店やデパートと協力して包装(過剰包装や包装プラスチック)を減らす
・事業者、消費者、行政が一堂に会してごみ削減に関する情報交換する場を定期開催する
⑦食品ロスを減らす
・食品ロスゼロを目指すホテルや飲食店を増やす
・食品スーパーや小売店の消費期限が迫った生鮮品を受け取れるフードバンクの仕組みを構築する
・3010運動を推進する

方向性3 次代を担う子供たちの可能性を引き出す環境をつくる

~子供がゆめを描けるまち~

1.子供の多様性を尊重し、個性を伸ばす

①子供に新たな知見を取り入れた最先端の教育を含む多様な教育を提供する
・アクティブラーニングなど自主性を育てるような教育を実施する
・実践型インターンシップなど社会での実践の場をつくる
・世界で起きていることと、金沢の身近で起きていることを関係づけて、感じたり考えたりできる学習を進める
②地域と連携して学校外での子供の教育を充実させる
・子供たちのライフステージに応じた親の学びを充実する
・コミュニティ・スクール(*4)を全市で実施し、学校と地域、家庭の協力協働を進める
・金沢の文化芸術分野で活躍する人 の協力を得て、児童館や保育施設などでの活動の創造性を上げる
③子供の可能性を大らかに認め、柔軟性のある個に寄り添った教育を推進する
・金沢の強みを活かした自然やアート、スポーツにふれる教育を充実させる
・自由な発想、ワクワク感、認めあう環境をつくる
・LGBT、障害のある人などと場をともにするインクルーシブ教育を充実させる
④特別な支援を必要とする子供たちに多様な選択肢を提供する
・特別支援教育を放課後支援も含めて充実させる
・障害のある児童生徒の就学就労等に関する情報を市民で共有する

*4 学校と保護者や地域の方々がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら子供たちの豊かな成長を支えるという「地域とともにある学校づくり」の仕組み

2.すべての子供たちが安心して暮らし育つことができる環境をつくる

①家庭が困窮な状況にあっても生活できるよう支援する
・児童養護施設や里親の元で暮らす子供たちの生活を充実させる
・子供の支援団体のネットワーク化を進め、連携により貧困家庭への支援体制を強化する
・子どもソーシャルワーカーを増員する
②子供を、学校・家庭・地域のみんなで見守り、子供に起きている深刻な問題を見逃さない
・児童虐待や非行、貧困など子供に関連する問題が市民の誰にでも理解されるよう見える化する
③親も子供も安心して笑顔で暮らせるまちをつくる
・地域や職場で子育ての喜びや課題などを共有できるようにする
④子供に関わるあらゆるセクターの連携を強化する

3.学校に多様な人が連携して関わることで、学校に関わる全ての人が幸せになる

①みんなが学校について話し合ったり関わったりする
・学校について広く話し合う場、専門家や現場関係者による議論の場を持つ
・学都である金沢の強みを生かして、大学生が教育現場や子供に積極的に関わる
・部活動の指導に民間を活用する
②独自の教育を展開するための資源を確保し、学校の自由度を上げる
・NPOなど学外の人材を活用する仕組みをつくる
・子供が地域の未来を担うことについて納税者の理解を得る。そのための発信や議論を実施していく
③先生が成長し続けられる環境をつくる
・先生のワークライフバランスを改善する
・教員が持続可能な社会を描くスキルを身につけるための研修や実践を続けるとともに、外部との接点を増やす
・多様な人材を教員に採用する

方向性4 誰もが生涯にわたって学び活躍できる社会風土をつくる

~働きがいも、生きがいも得られるまち~

1.多様な価値観や文化を大切にする

①あらゆる場面でジェンダー平等を徹底する
・意思決定の場面では、多様性を確保するためジェンダーバランスに配慮する
・地域、町会、PTA活動、家事・育児・介護などでのジェンダー不平等をなくす
②LGBTフレンドリーなまちにする
・LGBTを理解する場や機会を増やす
・同性パートナーシップ制度を浸透させる
③外国の文化や生活を理解し、尊重する
・異文化を理解するために、外国出身者と気軽に交流できる機会をつくる
・外国出身者が不便を感じる部分や、金沢のよい部分などを見える化する
④障害者フレンドリーなまちにする
・さまざまな障害や、それによる社会的不利があることを知って理解する
・障害の有無に関わらず、気軽に話し合ったり、助け合ったりできるまちにする
⑤異なる価値観や文化を知り、対話する
・異文化、多様な性や家族のあり方、障害の有無、子供・若者・高齢者など、自分以外の価値観を知り理解する
・意思決定の場面に、世代その他のバランスの取れた多様性を確保する

2.誰もが自信と生きがいをもって生活することができる

①いろいろなコミュニティに関わってみる
・地域活動やイベントに参加してみる
・NPOやプロボノなど、さまざまなコミュニティに所属する
②誰もが自分の人生に自信をもつ
・他者との対話などを通して、自分の好きなこと・得意なことに気づくことができる機会をつくる
・人生におけるライフシフト(*5)やタイムマネジメント(*6)について学ぶ
③芸術やスポーツが身近なまちにする
・地元プロスポーツチームを応援する
・ミュージアムや音楽会にふらっと出かけてみる
・芸術やスポーツに取り組む

*5 教育→仕事→引退という誰もが同じような時間軸で過ごす「3ステージの人生」から、人生100年時代を前提として、時代の変化に応じた「マルチステージの人生」を選択すること
*6 限られた時間で生産性を向上させるための時間管理術

3.誰もが学びたい時に学べる場がそこら中にある

①多世代がいつでもどこでも学べる
・図書館を市民の憩いの場とし、最新機器から、ゆったりと読書でき、対話もできる空間を確保する
・生涯にわたって教育と就労を交互に行うリカレント教育を奨励・充実する
②まち全体を学びの場とし、市民が相互に教え、学びあう
・公民館の活用状況を調査してみる

4.一人ひとりが、何度でもチャンレンジし続けることができる

①働きたい意欲のある“ヒト”に合わせた就労を支援する
・職場や移動環境をバリアフリーにする
・妊娠、出産、病気などでやむを得ず離職した人が、再就職しやすい社会をつくる
・ジョブコーチと連携し、障害のある人が円滑に働けるように、支援環境を整える
②誰でもいつでもどこでも働くことのできる環境の整備
・テレワークやリモートワークを社会全体で推進する
③いろいろな働き方や休み方ができる風土と環境をつくる
・組織に属しているかどうかが、有利・不利に結び付かない風土をつくる
・サバティカル休暇やワーキングホリデー等の制度を浸透させる

方向性5 文化や産業に革新的イノベーションが起きる仕組みをつくる

~新しいもの、ことを生み出すまち~

1.イノベーションが起きやすい条件と要素をあつめる

①金沢の強みである文化を知って磨く
・さまざまな文化的な催しやイベントに出かける。普段行かないものにも行ってみる
・金沢が磨いている要素(生活文化、工芸、茶道、建築景観、自然など)を理解する
②いろいろな市民がテクノロジーを理解する
・テクノロジーリテラシー教育を実施する
・オープンデータを使った市民による社会変革プロジェクトを立ち上げる
③感性豊かな人を育む
・自然に触れる機会をつくる
・おしゃれして出かける
④お金の循環を作る
⑤挑戦を応援し、失敗からの学びを賞賛する風土をつくる
・学校への起業家派遣や起業家育成プログラムを提供するなど、起業家教育を行う

2.イノベーションのエコシステムを形成し化学反応を起こす

①多様な人や企業が交わる「場所」をつくる
・ITビジネスプラザ武蔵、価値創造拠点をハブとする新しいビジネスモデルを作る
②多様な人の出会いを促進させる「機会」をつくる
・人をつなぎ、場を作る触媒となるコーディネーターを発掘し育成する
③企業がSDGsを取り入れる
・社会課題を全体で解決するバックキャスティング思考をイノベーションのエンジンにする
④気軽に出入りし滞在できるまちにする
・簡易宿所やアーティスト・イン・レジデンス施設など、滞在しやすく持続可能なツーリズムモデルをつくる
・短期利用できるレンタルオフィス、コワーキングスペースをつくる
⑤世界と直接つながる
・世界規模の工芸見本市を開催する
⑥創造的人材 (職人、芸術家、エンジニア等)に敬意を払うまちにする
・創造的な仕事に正当な対価を払う
・創造的人材が自分の力で事業継続できるよう支援する

方向性1~5をすすめるパートナーシップ

1.多様な人が金沢SDGs行動計画に参画する

①金沢SDGsについて気軽に学べる
・誰もが参加しやすいSDGs勉強会や出前講座、イベント等を開催する
・子どもへのSDGs教育を進める
・SDGsのまちづくりに関するデータや情報をオープンにする
・SDGsの目標と達成状況をわかりやすく発信する
②金沢SDGs行動計画のプロセスとアクションに市民や企業が参画する
・さまざまなコミュニティ、企業、団体、行政組織等の取組を知り、つながる機会をつくる
・SDGs行動計画づくりとアクションに市民や企業の意見や対話を反映する
・市民や企業が実践するSDGsの取組を情報発信する

2.連携による協働で目標を達成する

①多様な人・組織のアイデアやネットワークを活かす
・地域の既存組織のネットワークを活用する
・さまざまな教育現場や生徒、学生と連携した取組を推進しアイデアを実行する
②SDGsのアクション起こす基盤をつくる
・SDGsの達成状況や実行主体を見える化して発信する
・環境負荷軽減などの共通するテーマに対して市民がディスカッションできる場をつくる
③横串を刺すパートナーシップをすすめ、コレクティブインパクトを生み出す
・行政の部署横断のプロジェクトを拡充し、まちづくりのプロセスに市民参画や官民協働の取組を意識して進める。
・大学間連携、事業者間連携など、目的や分野の近い同業者との協力関係を構築する
・パートナーシップによるパイロット事業を立ち上げる

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